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応用情報技術者試験 令和4年春 午前問46 解説付き過去問

問題

モジュールの独立性の尺度であるモジュール結合度は、低いほど独立性が高くなる。 次のうち、モジュールの独立性が最も高い結合はどれか。

正解

解説

この問題は、ソフトウェア設計におけるモジュール同士の結合の程度を示す「モジュール結合度」に関して、最も独立性の高い(結合度が低い)結合の種類を問うものです。モジュール間の結合が弱いほど、保守性や再利用性の高い設計になります。

  1. モジュール結合度とは
    モジュール結合度は、モジュール間の依存の強さを示す指標です。
    一般に、結合度が低いほどモジュールの独立性が高く、設計の柔軟性や保守性が向上します。
    逆に、結合度が高いと、モジュール間の依存関係が強くなり、変更の影響範囲が広がるため保守が困難になります。

  2. 主な結合の種類と特徴
    モジュール結合には、次のような種類があります。独立性が高い順に並べると以下の通りです。
    • データ結合:モジュール間で必要最小限のデータ(例えば引数)だけを受け渡す。最も結合度が低く、独立性が高い。
    • スタンプ結合:レコードなどの複合データ構造を渡す。必要な一部の情報しか使用しないことが多く、やや結合度が高い。
    • 制御結合:制御フラグなどを渡し、処理の流れを他のモジュールに依存させる。独立性が低くなる。
    • 外部結合:モジュールが共通の外部データ(ファイルやデバイス)を利用する。変更の影響を受けやすい。
    • 共通結合:共通領域(グローバル変数)を複数のモジュールが利用する。複数のモジュールが同一のデータを参照・更新するため、結合度が非常に高くなる。


  3. 独立性が最も高い結合
    データ結合は、引数のように明確に定義されたデータのみを受け渡す方式であり、モジュール同士が互いの内部構造に依存しません。
    このため、データ結合が最も独立性が高く、望ましいモジュール間の関係とされています。

以上より、モジュールの独立性が最も高いのは「データ結合」です。保守性・再利用性の高いシステム設計を実現するためには、このような低結合の構成を心がけることが重要です。