応用情報技術者試験 令和4年秋 午前問50 解説付き過去問
問題
スクラムのスプリントにおいて、(1)~(3)のプラクティスを採用して開発を行い、スプリントレビューの後にKPT手法でスプリントレトロスペクティブを行った。
"KPT"の"T"に該当する例はどれか。
[プラクティス]
[プラクティス]
- ペアプログラミングでコードを作成する。
- スタンドアップミーティングを行う。
- テスト駆動開発で開発を進める。
正解
解説
この問題は、スクラムのスプリントレトロスペクティブにおいて用いられるKPT手法の「T」(Try:今後試すべきこと)に関する理解を問うものです。KPTはスプリントの振り返りにおいて広く活用されるフレームワークであり、各項目がどの内容に該当するかを判断する力が求められます。
- KPT手法の概要
KPTは以下の3つの要素から成り立ちます。
・Keep(継続すべきこと):うまくいったことや、今後も続けたい取り組み
・Problem(問題だったこと):課題や障害となった要素
・Try(試してみること):次のスプリントで改善策として試してみるアイデア
この手法は、開発チームが主体的に改善を進めるための実践的な枠組みとして用いられます。 - 選択肢の判定
「次のスプリントからは、スタンドアップミーティングにタイムキーパーを置き、終了5分前を知らせるようにする」という記述は、現状の課題に対して具体的な改善策を示しており、「Try(試すべきこと)」に該当します。
これは、問題を踏まえたうえで改善行動を明確に定義している点で、Tryの典型的な例です。 - 他の選択肢との違い
他の選択肢の内容は以下のように分類されます。
・「開発したプログラムは欠陥が少なかったので、今後もペアプログラミングを継続する」→ Keep
・「スタンドアップミーティングにメンバー全員が集まらないことが多かった」→ Problem
・「テストコードの作成に見積り以上の時間が掛かった」→ Problem
これらは、現状の維持や課題の指摘にとどまっており、Tryの定義には該当しません。
したがって、「次のスプリントからは、スタンドアップミーティングにタイムキーパーを置き、終了5分前を知らせるようにする」という選択肢が、KPTにおける「T(Try)」に該当する正しい内容です。