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合格発表日:2025年7月3日(あと66日)

応用情報技術者試験 令和3年春 午前問40 解説付き過去問

問題

暗号学的ハッシュ関数における原像計算困難性、つまり一方向性の性質はどれか。

正解

解説

この問題では、暗号学的ハッシュ関数の重要な性質である原像計算困難性について問われています。原像計算困難性は、ハッシュ関数の安全性を保証するために非常に重要な特性です。

  1. 暗号学的ハッシュ関数の定義
    暗号学的ハッシュ関数は、任意の長さのデータを入力として受け取り、固定長のハッシュ値を出力する関数です。この関数は計算が速く、元のデータからハッシュ値を生成するのは容易ですが、ハッシュ値から元のデータを再現するのは計算上困難でなければなりません。

  2. 原像計算困難性とは
    原像計算困難性とは、与えられたハッシュ値に対して、そのハッシュ値を生成する元のメッセージを見つけ出すことが計算上困難であるという性質です。この性質により、ハッシュ関数は逆方向の計算が不可能に近い状態となり、セキュリティが保たれます。例えば、パスワードのハッシュ値が漏洩しても、そのハッシュ値から元のパスワードを推定することが非常に困難になります。

  3. 他のハッシュ関数の特性との比較
    問題の選択肢には他のハッシュ関数の特性も含まれていますが、原像計算困難性はハッシュ関数が安全で信頼性が高い理由の一つです。ハッシュの固定長出力や衝突抵抗性(異なるメッセージで同一のハッシュ値が得られることの困難さ)も重要ですが、原像計算困難性は特に重要なセキュリティ特性です。

したがって、正解は「あるハッシュ値が与えられたとき、そのハッシュ値を出力するメッセージを見つけることが計算量的に困難であるという性質」です。この性質が暗号学的ハッシュ関数を安全に使える根本的な理由の一つとなっています。