応用情報技術者試験 令和3年春 午前問33 解説付き過去問
問題
日本国内において、無線LANの規格IEEE 802.11acに関する説明のうち、適切なものはどれか。
正解
解説
この問題は、無線LANの規格IEEE 802.11acに関する知識を試すものです。選択肢の中から、IEEE 802.11acについて正確に説明しているものを選ぶ必要があります。
- IEEE 802.11gとの互換性
IEEE 802.11acは、IEEE 802.11nの後継規格として開発されたもので、802.11gやそれ以前の規格とは異なる改良が加えられています。802.11acは主に5GHz帯を使用し、特定の条件下でのみ802.11gなどの古い規格との下位互換性があります。しかし、この互換性は全ての802.11gデバイスに適用されるわけではなく、具体的なデバイスの対応状況に依存します。 - 最大通信速度
IEEE 802.11acの最大通信速度の理論値は約3.46Gビット/秒に達します。これは、複数の空間ストリームと広帯域幅(最大160MHz)、高度な変調技術を使用することにより実現されています。したがって、600Mビット/秒という数値はIEEE 802.11nやIEEE 802.11gの規格で見られる速度であり、802.11acのそれとは異なります。 - アクセス制御方式
無線LAN規格であるIEEE 802.11acは、CSMA/CA(Collision Avoidance)方式を使用しています。これは、衝突を避けるためにフレームを送信する前にメディアが空いているかどうかを確認する方式です。対照的に、CSMA/CD(Collision Detection)は有線LAN技術であるEthernetで使用される方式で、衝突を検出して再送する方式です。したがって、802.11acがCSMA/CDを使用するという記述は誤りです。 - 使用する周波数帯
IEEE 802.11acは5GHz帯を主に使用する規格です。この帯域では干渉が少なく、より広帯域の使用が可能で、速度と効率が向上します。2.4GHz帯を使用する古い規格と比較して、5GHz帯は現代の無線通信において重要な役割を果たしています。
したがって、正確な周波数帯の使用に関する説明が含まれている「使用する周波数帯は5GHz帯である」という選択肢が正解です。