応用情報技術者試験 令和2年秋 午前問32 解説付き過去問
問題
図のようなネットワーク構成のシステムにおいて、同じメッセージ長のデータをホストコンピュータとの間で送受信した場合のターンアラウンドタイムは、端末Aでは100ミリ秒、端末Bでは820ミリ秒であった。
上り、下りのメッセージ長は同じ長さで、ホストコンピュータでの処理時間は端末A、端末Bのどちらから利用しても同じとするとき、端末Aからホストコンピュータへの片道の伝送時間は何ミリ秒か。
ここで、ターンアラウンドタイムは、端末がデータを回線に送信し始めてから応答データを受信し終わるまでの時間とし、伝送時間は回線速度だけに依存するものとする。


正解
解説
この問題は、ネットワーク構成におけるターンアラウンドタイムと伝送時間の関係をもとに、端末Aからホストコンピュータへの片道伝送時間を求めるものです。ポイントは、回線速度の差と各端末のターンアラウンドタイムの差から、ホスト処理時間と伝送時間を論理的に導くことにあります。
- 与えられた情報の整理
・端末Aのターンアラウンドタイム:100ミリ秒
・端末Bのターンアラウンドタイム:820ミリ秒
・端末Bの回線速度は端末Aの10分の1
・上り・下りのメッセージ長は同じ、ホストの処理時間も一定 - ホスト処理時間の導出
端末Aの往復伝送時間を x ミリ秒、ホストの処理時間を a ミリ秒とすると、
x + a = 100
端末Bの回線は端末Aの10分の1の速度なので、同じメッセージ長なら往復伝送時間は10倍、すなわち 10x ミリ秒
10x + a = 820
この2式から連立して解くと:
・① x + a = 100
・② 10x + a = 820
②−①より:
9x = 720 → x = 80、よって a = 20 - 片道伝送時間の計算
往復伝送時間 x = 80 ミリ秒なので、片道はその半分の
80 ÷ 2 = 40 ミリ秒
したがって、端末Aからホストコンピュータへの片道の伝送時間は40ミリ秒となります。