応用情報技術者試験 平成31年春 午前問55 解説付き過去問

ITIL 2011 editionにおけるITサービス継続性管理のコンテキストで、段階的復旧（コールド・スタンバイ）に関する問題です。この問題は、異なる復旧オプションの特徴を理解することが求められます。

1. コールド・スタンバイの特徴
   コールド・スタンバイは、事前に設備のスペースを確保し、必要な機器やソフトウェアは災害発生後に設置・設定する復旧オプションです。この方法は、時間と労力を要しますが、コスト効率が良いため、即時復旧を必要としないビジネスに適しています。
   
   
2. 他の復旧オプションとの比較
   ホット・スタンバイ（遠隔地のデータセンタに本稼働システムと同一構成の機器を準備）や相互利用協定、分散配置は、それぞれコールド・スタンバイと異なる復旧速度やコストが特徴です。ホット・スタンバイは迅速な切り替えが可能であり、相互利用協定や分散配置はリスク分散に優れていますが、それぞれ維持コストが高くなる傾向があります。
   
   

したがって、問題文で述べられている「遠隔地のデータセンタに機器を設置できる場所を確保しておき、災害時にはコンピュータ機器を設置し、ソフトウェアのセットアップやデータの復元を行って、ITサービスを復旧させる」オプションは、コールド・スタンバイに該当します。このオプションは準備が必要で即時の復旧は望めませんが、コストを抑えつつ計画的にリソースの配置が可能です。