応用情報技術者試験 平成31年春 午前問12 解説付き過去問
問題
Webサーバ、アプリケーション(AP)サーバ及びデータベース(DB)サーバが各1台で構成されるWebシステムにおいて、次の3種類のタイムアウトを設定した。
タイムアウトに設定する時間の長い順に並べたものはどれか。
ここで、トランザクションはWebリクエスト内で処理を完了するものとする。
〔タイムアウトの種類〕
〔タイムアウトの種類〕
- APサーバのAPが、処理を開始してから終了するまで
- APサーバのAPにおいて、DBアクセスなどのトランザクションを開始してから終了するまで
- Webサーバが、APサーバにリクエストを送信してから返信を受けるまで
正解
解説
この問題は、Webシステムの各サーバ間で設定されるタイムアウトの時間を、その長さに基づいて順序付けすることを要求しています。タイムアウトはシステムの効率と信頼性を保つために重要です。
- WebサーバからAPサーバへのリクエストのタイムアウト(③)
WebサーバからAPサーバへのリクエストタイムアウトは、全体の応答時間に直接影響を与えるため、通常、最も長く設定されます。これは、ネットワーク遅延やAPサーバの負荷状態による遅延を考慮して、十分な余裕を持たせる必要があるためです。このタイムアウトは、リクエストがWebサーバからAPサーバに送信されてから、その返信をWebサーバが受け取るまでの最大許容時間を定義します。 - APサーバ内の全プロセスのタイムアウト(①)
APサーバ上のアプリケーションが、処理を開始してから終了するまでのタイムアウトは、APサーバの負荷や処理能力に依存します。このタイムアウトは、APサーバが単独で完了させるべき処理の時間を規定し、システム全体の信頼性を維持するために重要です。処理がこの時間内に完了しない場合は、システムが応答不能になるリスクを避けるために、処理が中断されます。 - APサーバのトランザクション処理のタイムアウト(②)
APサーバがDBサーバへのデータベースアクセスを含むトランザクションを開始してから終了するまでのタイムアウトは、特定の処理やクエリの実行時間を制限します。このタイムアウトは、データベースの応答性やトランザクションの効率を保証するために設定されますが、他のタイムアウトほど長くは設定されないことが一般的です。トランザクションがこの時間を超えると、ロックやリソースの消費を避けるために中断されます。
したがって、タイムアウトの設定時間が最も長いのはWebサーバからAPサーバへのリクエストのタイムアウト(③)であり、次にAPサーバ内の全プロセスのタイムアウト(①)、最後にAPサーバのトランザクション処理のタイムアウト(②)となるため、正解は「③、①、②」です。