応用情報技術者試験 平成30年秋 午前問44 解説付き過去問
問題
取引履歴などのデータとハッシュ値の組みを順次つなげて記録した分散型台帳を、ネットワーク上の多数のコンピュータで同期して保有し、管理することによって、一部の台帳で取引データが改ざんされても、取引データの完全性と可用性が確保されることを特徴とする技術はどれか。
正解
解説
この問題は、取引データの完全性と可用性を確保するために、データとハッシュ値を組み合わせて記録し、ネットワーク上で多数のコンピュータが同期して管理する分散型台帳技術について問うものです。
- ブロックチェーンの基本概念
ブロックチェーンは、取引記録をブロックとしてハッシュ値を用いてチェーンの形で連結していく技術です。各ブロックには前のブロックのハッシュ値が含まれており、これによりデータの改ざんが困難になります。ネットワーク上の複数のノードがこの台帳を保持することで、一部のノードに問題が発生してもデータの完全性が保たれ、全体のネットワークとして取引データを正確に反映できます。 - 他の選択肢との比較
MAC(Message Authentication Code)は、メッセージの認証と整合性を確保するための技術で、主に通信の安全を保証するために用いられますが、分散型台帳の管理には直接関係しません。XML署名は文書の改ざんを検出することに焦点を当てており、分散型台帳技術そのものとは異なります。ニューラルネットワークは機械学習の一手法であり、台帳の管理や同期とは無関係です。
したがって、分散型で取引データの完全性と可用性を確保する技術として正解は「ブロックチェーン」です。