応用情報技術者試験 平成30年秋 午前問3 解説付き過去問
問題
受験者1,000人の4教科のテスト結果は表のとおりであり、いずれの教科の得点分布も正規分布に従っていたとする。
90点以上の得点者が最も多かったと推定できる教科はどれか。

正解
解説
この問題は、正規分布の特性に基づいて、90点以上の得点者が最も多い教科を推定するものである。与えられたグラフには4教科の平均点と標準偏差が示されており、分布の形状とスコアの分布を視覚的に比較することが求められている。
- 正規分布の基本性質
正規分布は、平均値を中心として左右対称の釣鐘型カーブを描く確率分布である。
この分布では、平均からの距離(標準偏差)に応じてデータの集中度が決まる。
一般的に以下の割合が成り立つ:
・平均±1σの範囲:全体の約68%
・平均±2σの範囲:全体の約95%
・平均±3σの範囲:全体の約99% - 90点以上の得点者の割合
90点以上の得点者が多いかどうかは、「90点が平均からどれだけ離れているか(偏差値)」と「標準偏差の大きさ」によって決まる。
平均が高く、標準偏差が小さいほど、分布の右側(高得点域)に多くのデータが集中するため、90点以上の割合が大きくなる。 - グラフの分析
与えられたグラフを見ると、教科Bは平均点が最も高く、かつ標準偏差が小さい傾向にある。
この条件は、90点以上の得点者が他の教科よりも多くなる典型的なパターンである。
他の教科では、平均が低かったり、ばらつき(標準偏差)が大きく、90点以上の得点者の比率は教科Bほど多くはない。
以上より、正規分布の形状と教科ごとの統計的特徴から判断して、90点以上の得点者が最も多いと推定できるのは教科Bである。