応用情報技術者試験 令和7年春 午前問1 解説付き過去問
問題
論理式P、Qがいずれも真であるとき、論理式Rの真偽にかかわらず真になる式はどれか。
ここで、" ̄"は否定を、"∨"は論理和を、"∧"は論理積を、"→"は含意("真→偽"となるときに限り偽となる演算)を表す。
正解
解説
この問題は、命題論理における恒真式(常に真になる論理式)を見抜く問題です。PとQが真であるという前提のもと、Rの真偽にかかわらず式全体が真となるものを選びます。
- ((P→Q)∧(Q→P))→(R→Q)
PとQがともに真であるため、P→Q も Q→P も真になります。よって前件(左辺)は真です。
Qは真であるため Q は偽です。
Rが真の場合、R→Q は「真→偽」で偽となり、式全体は「真→偽」で偽になります。したがって、この式はRの値によって真偽が変化するため、常に真とはなりません。 - ((P→Q)∧(Q→P))→(Q→R)
P→Q は真、Q→P は「真→偽」で偽のため、前件は「真∧偽」で偽になります。
偽→(何か) は常に真となるため、一見正しいようにも思えますが、Q→R の内容次第で意味が変わるため、慎重に判断が必要です。
Qが真でRが偽のとき、Q→R は「真→偽」で偽となり、式全体は「偽→偽」で真になります。
しかし、Q→R を後件として強く意味づけた場合、式全体が常に真とは言い切れないので、確実に恒真式になるとは言えません。 - ((P→Q)∨(Q→P))→(R→Q)
P→Q は「真→偽」で偽、Q→P は「真→真」で真なので、左辺は「偽∨真」で真になります。
Rが真でQが真であれば、R→Q は「真→偽」で偽となり、全体は「真→偽」で偽になります。
したがって、この式はRの真偽により結果が変わるため、恒真式ではありません。 - ((P→Q)∨(Q→P))→(Q→R)
P→Q と Q→P はともに「真→偽」で偽となるため、左辺は「偽∨偽」で偽になります。
前件が偽である「偽→何か」の形は、常に真になるため、後件のQ→Rの真偽にかかわらず式全体は必ず真となります。
よって、この論理式はPとQが真であれば、Rが真であっても偽であっても常に真となり、恒真式であることが確認できます。
したがって、PとQが真であるとき、Rの真偽にかかわらず常に真になる式は ((P→Q)∨(Q→P))→(Q→R) です。