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合格発表日:2025年7月3日(あと29日)

応用情報技術者試験 平成31年春 午前問8 解説付き過去問

問題

スーパスカラの説明として、適切なものはどれか。

正解

解説

スーパスカラアーキテクチャについての理解を深めるために、その特徴と動作原理を詳しく解説します。

  1. スーパスカラアーキテクチャの定義
    スーパスカラアーキテクチャとは、一つのクロックサイクルにおいて複数の命令を同時に実行できるプロセッサの設計方式です。これにより、プロセッサの命令実行率が向上し、全体的な性能が改善されます。

  2. 命令の並列処理
    スーパスカラプロセッサは、複数の命令を同時にデコードし、異なる演算器(算術論理ユニットや浮動小数点ユニットなど)に振り分けて実行する能力を持っています。このプロセスは、命令レベルの並列性を実現するために非常に重要です。複数の命令が同時に異なるデータセットに対して演算されることはありませんが、異なる命令が同時に処理されることが可能です。

  3. 他の並列処理技術との比較
    他の選択肢で挙げられた技術と比較すると、スーパスカラは複数のプロセッサコアを持つマルチコアプロセッサ(最初の選択肢)や、一つのコアで複数のスレッドを切り替えて処理するマルチスレッディング(2番目の選択肢)、一つの命令で複数データに対して演算を行うSIMD(3番目の選択肢)とは異なります。スーパスカラは、複数の独立した命令を複数の演算器で同時に処理する点が特徴です。

したがって、スーパスカラアーキテクチャにおいては、並列実行可能な複数の命令を複数の演算器に振り分けて同時に実行することが重要です。選択肢の中でこれを最も適切に説明しているのは「並列実行可能な複数の命令を、複数の演算器に振り分けることによって並列に実行する」という選択肢です。