応用情報技術者試験 平成30年春 午前問19 解説付き過去問
問題
ページング方式の仮想記憶における主記憶の割当てに関する記述のうち、適切なものはどれか。
正解
解説
この問題は、仮想記憶システムにおけるページング方式での主記憶の割当て方法に関する理解を問うものです。
- ページング方式とページフォールト
ページング方式においては、プログラムが使用するメモリ空間は「ページ」と呼ばれる固定サイズの区画に分割されます。プログラムがアクセスを試みたページが主記憶(RAM)にない場合、「ページフォールト」が発生し、そのページが二次記憶装置(例えばハードディスク)からRAMにロードされます。 - ページの動的割当てのメカニズム
プログラム実行中、新たに必要とされるページがRAMにないとページフォールトが発生し、この時点で初めて必要なページがRAMにロードされるため、必要に応じて動的にメモリが割り当てられます。このプロセスによって、メモリの使用効率が向上し、プログラムは必要なメモリだけを使用して実行を続けることが可能となります。 - 他の選択肢の誤り
他の選択肢では、プログラムの実行に必要なページが全て初期にロードされるとか、必要なメモリ空間が常に確保されているといった誤った理解を示しています。ページングでは、プログラムの実行に必須のページのみが初期にロードされるわけではなく、またプログラムに割り当てられるメモリは一定ではなく実行の進行によって変動します。
したがって、プログラム実行時のページフォールトを契機に、ページをロードするのに必要な主記憶が割り当てられる選択肢が正解です。これはページング方式の基本的な特徴であり、仮想記憶システムの効率的なメモリ管理を実現するための重要なメカニズムです。