応用情報技術者試験 平成30年春 午前問16 解説付き過去問
問題
4種類の装置で構成される次のシステムの稼働率は、およそ幾らか。
ここで、アプリケーションサーバとデータベースサーバの稼働率は0.8であり、それぞれのサーバのどちらかが稼働していればシステムとして稼働する。
また、負荷分散装置と磁気ディスク装置は、故障しないものとする。

ここで、アプリケーションサーバとデータベースサーバの稼働率は0.8であり、それぞれのサーバのどちらかが稼働していればシステムとして稼働する。
また、負荷分散装置と磁気ディスク装置は、故障しないものとする。

正解
解説
この問題は、システム全体の稼働率を、複数の装置の接続構成とそれぞれの稼働率に基づいて求めるものです。
- システム構成の把握
システムは、負荷分散装置・アプリケーションサーバ・データベースサーバ・磁気ディスク装置の4種類の装置から構成されています。
このうち、負荷分散装置と磁気ディスク装置は「故障しない」と明記されているため、稼働率は1(100%)と見なします。
よって、全体の稼働率はアプリケーションサーバとデータベースサーバの構成により決定されます。 - 稼働構成の論理的整理
アプリケーションサーバとデータベースサーバは、それぞれ2台構成で「いずれか一方が稼働していればよい」とされており、これは論理回路的に「並列構成」に該当します。
並列構成の稼働率R並列は、個々の装置の稼働率をRとした場合、次の式で求められます。
R並列 = 1-(1-R)2
個々のサーバの稼働率は 0.8 なので、各サーバ群の稼働率は次の通りです。
1-(1-0.8)2 = 1-0.04 = 0.96
したがって、アプリケーションサーバ群・データベースサーバ群ともに、稼働率は 0.96 になります。 - 全体の稼働率の計算
並列構成のサーバ群が2段階あり、それらが「両方とも稼働していなければならない」条件であることから、全体は「直列構成」として扱います。
直列構成では、全体の稼働率は構成要素の稼働率の積で表されます。
0.96 × 0.96 = 0.9216
よって、システム全体の稼働率は 0.9216 となり、四捨五入して 0.92 となります。
以上より、正解は 0.92 です。