応用情報技術者試験 平成30年秋 午前問48 解説付き過去問
問題
安全性と信頼性について、次の方針でプログラム設計を行う場合、その方針を表す用語はどれか。
〔方針〕
不特定多数の人が使用するプログラムには、自分だけが使用するプログラムに比べて、より多く、データチェックの機能を組み込む。 プログラムが処理できるデータの前提条件を文書に書いておくだけでなく、プログラムについても前提条件を満たしていないデータが入力されたときは、エラーメッセージを表示して再入力を促すようなものとする。
〔方針〕
不特定多数の人が使用するプログラムには、自分だけが使用するプログラムに比べて、より多く、データチェックの機能を組み込む。 プログラムが処理できるデータの前提条件を文書に書いておくだけでなく、プログラムについても前提条件を満たしていないデータが入力されたときは、エラーメッセージを表示して再入力を促すようなものとする。
正解
解説
この問題は、プログラムの設計方針が不特定多数のユーザーに使用される際の安全性と信頼性をどのように高めるかを問うものです。特に、入力データのチェックとエラーハンドリング方法に注目しています。
- フールプルーフの定義
フールプルーフとは、「誤操作や想定外の操作をしても、システムが安全な状態を保つように設計されている」ことを指します。プログラムが不特定多数に使用される場合、ユーザーによる不正確な入力や理解不足から生じるエラーを防ぐための機能が必須です。具体的には、入力データが前提条件を満たしていない場合にエラーメッセージを表示し、再入力を促す機能がこれに該当します。 - 他の選択肢との比較
フェールセーフは、システムが故障した際に安全な状態に遷移する設計を指します。フェールソフトは、部分的に機能を維持しながらエラーを許容する設計です。フォールトトレランスは、システムが一部に障害があっても全体としての機能を維持する能力を指します。これらの用語は、主にシステム障害やエラー発生時の対応に焦点を当てているのに対し、フールプルーフはユーザーの誤操作に対する予防策に重きを置いています。
したがって、不特定多数の人が使用するプログラムにおいて、データチェックの機能を強化し、前提条件を満たしていないデータが入力されたときにエラーメッセージを表示して再入力を促す設計は「フールプルーフ」と呼ばれる方針です。このアプローチにより、ユーザーの誤操作による問題を未然に防ぐことが可能となります。